人形制作会議(第20回)
参加メンバー
6名。
1号
さて、材料についてだが、ざっくりと答えておこう。具体的なサイズとか分量はいつかまとめる予定ではある。
3号
自分でもまだ具体的には把握していない、のでは?
2号
あ、そういうことですか。
1号
——いや、あ、まあ、そういうことである。
5号 うさぎ
じゃあ私が答えてあげようか。見てたからわかるよ。
1号
いや、いい。——で、まずは、生地だな。1体作るのに、本体のシーチング、10メートルくらい。
そしてカバーのジャージーが、フェイスカバーを複数枚作るとして、4メートルくらい。これが基本だ。
4号
仮面は、フェルト。パンツは、サテン。ナイトキャップは、フェイスタオル。
6号 アリス
なんで4号が答えてるの?
1号
4号は、いちおう秘書だからである。
4号
次は細かい部品について。
1号
うむ。まあ部品というか、まずファスナー類だが、20センチと40センチのフラットニットファスナー。56センチのコンシールファスナー。
あと面ファスナーというのはいわゆるマジックテープのことだが、そのなかでもフリーマジックという高級品をしめのん工房では使用している。
1号
そして、ハトメ、丸ゴム。これらは球体関節人形のように人形全体をつなげるためのものだ。平ゴムは、パンツやナイトキャップ、ウイッグや仮面の固定に使う。
2号
そういえば、汗がつかなくても生地は黄色くなっていく、って騒いでなかったっけ?
1号
そうだ! それを弁明しておかなければならない。以前、抱いていたから人形の生地が黄色くなっている、とかいう話をしたが、あれはウソだ!
生地は、年月を重ねると粒子レベルの埃などが付着して酸化し、黄化していく。つまり、置きっ放しでも勝手に黄色くなっていくのだ!
3号
たんに、生地が黄化する原因はさまざま、ということなのでは?
1号
あ、いや、ま、そうだけど、ようするに、ワビサビ、のサビである。サビとは、古びて味わいのあること。シメノンドールの生地の黄化は、その趣を楽しんでもらいたい。
4号
人形の中身は、ハリガネ、わた。
1号
うむ。——話題の軌道修正ご苦労。補足しておくと、ハリガネつまりワイヤーは、ステンレス線。
わたは、ダイソーの化繊綿。余裕をもって25個くらいは必要だ。そして指先などに使うのは脱脂綿。カット綿と書かれているものだ。
5号 うさぎ
ハリガネとわたくらい私も知ってたよ。
6号 アリス
さきに言っちゃえばよかったんだよ。コピー用紙、画用紙、糊、テープ、両面テープ。
1号
おお。そこらへんは盲点だったな。型紙を印刷するのにコピー用紙は大量に必要だ。貼り合わせるための糊も。
画用紙はカバーの型紙を作るときに必須で、テープは、貼り合わせるためのメンディングテープのほか、肌カバーを固定するのに布用両面テープもあったほうがいいかな。これは必ず使うってわけじゃないけど。
3号
消耗品だけど、それらは「必要な道具」のほうに入れておいたほうがいいのでは? 人形の材料ではないから。
1号
あ、そっか。そうだね。最終的にまとめるときに修正しよう。
4号
次回は、生地の切り出し。
まとめ
大雑把にいうと、ふつうの生地と伸びる生地。留め具として、ファスナー、マジックテープ、丸ゴムなど。それからワイヤーやハトメなどの骨格を形成するためのもの。そして肉体の代わりになる、わたなどクッション性のあるもの。