人形制作会議(第11回)
参加メンバー
6名。
1号
では細かな骨格、つまり、シメノンドールの手足の指をどうするか、である。
2号
どうするかって? なにか特別なものでもあるの?
1号
特別というか、いろいろやり方があるからね、で、シメノンドールの場合はどうなっているのか? シンプルで、クールな感じであるか、が勝負だ!
3号
ん? で、その勝負にシメノンドールは、勝てたのかな?
1号
うん。勝てた気がするな。まず簡単に説明すると、手と手の指は、ワイヤーでつくった腕の先に、#18のワイヤーで5本指の骨組みをつくる。
そこに型崩れしにくい脱脂綿を被せて糸で巻き付けていく。
そして、ここでいちばん重要なのは、手が、腕のワイヤーから簡単に取り外し可能にしておくことである! なぜだか、おわかりか? そこの3名。
5号 うさぎ
えーっと、手だけ取れて遊べると、なんかおもしろいから。
6号 アリス
骨のない手もつくれるようにするため? 持ち主の好みによって。
4号
私は聞いたから答えを知ってる。腕の骨が折れたとき交換しやすいようにするため。
1号
はい、4号、正解。まあまあまあ、これは予定調和なやりとりだ。はい、そこ、文句を言わないように。
で、その通りで、骨袋も別々だ。手や足も「骨袋」というのは、ま、ちょっと違うかもしれないので、あえて名付けると「手袋」そして「足袋」だな。外しやすいよう接続したあとの部分も、糸を巻きつけて留める。
あと、注意事項としては、ワイヤーとワイヤーの接続部分に骨袋を挟んではいけない。摩擦で破れてしまうので。
2号
「足袋」はなんで下のほうも穴が空いているの? やっぱり面倒くさかったから同じものを重ね合わせた?
1号
なにを失敬な! 穴あきをつくるほうが面倒なんだぞ。でもまあ、これは、踵部分の足の裏まで綿が入り込むようにするため、ね。
では、4号。骨袋と手袋、足袋を接続したものの紹介を。
4号
左から、右手と右腕の骨格、左手と左腕の骨格、右足と右脚の骨格、左手と左脚の骨格、の接合部分。
1号
いちおうこれらの骨格ができると、長さ調整のために人形袋に入れて、はまり具合や形などを確かめてみる、ってことをする。
ようは綿を入れる前に関節部分のチェックだ。ちなみに肘や膝の関節部分はくるっと一回転させて輪にする。
5号 うさぎ
じゃあ、それを私が歩かせてみましょう。チョー痩せた脚ですね。テクテクテク。テクテクテク。
1号
では次回は、お待ちかね、人形袋に綿を入れる作業となるだろう。
まとめ
シメノンドールには、人形の骨格となるステンレスワイヤーを包み込む袋がある。それぞれ「骨袋」「手袋」「足袋」である。綿入りの「芯袋」と合わせて都合4種類となる。