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人形袋への骨格入れと綿詰め(パート1)

人形制作会議 第10回

参加メンバー

6名。

1号

1号

さて、今回からは人形袋に綿を詰めていく作業だが、まあタイトルからもわかるように、シメノンドールの場合は、その前に「骨格入れ」をする

3号

3号

ほかがどういう感じなのか知らないから、リアクションのしようがないけど、骨格がある人形ならみんなそうじゃないかな?

2号

2号

そういえば、以前、ワイヤーの太さがどうのこうの言ってたのは、あれ、けっきょくどうなったの?

1号

1号

ああ、あれか。言った通り、#10の太さに確定だよ。たしか21号からすべて腕も脚もワイヤーの太さは#10。22号でいろいろ耐久性を試しているけど、#10にしてからは未だに折れていないしね。

3号

3号

加工が難しいんだっけ? ワイヤーの切り口の玉をつくるのが。

ワイヤーの端。輪にした玉の部分。

1号

1号

うん。やっぱり女性の力だと、無理かな。男の力でもかなり難易度が高い。ようはワイヤーの切り口がそのままだと危ないから曲げて輪にするんだけど……、できなかったら長めにワイヤーをカットして輪を作っておいてからカットするとか——あ、ま、いいや、そへんの詳しい話はまた今度。とりあえずワイヤーの端を曲げて輪にする。そしてそれぞれのパーツの形に曲げておいてから「骨袋」に入れる。ちなみに下の画像は、形をつくる前に、サイズが合っているかのチェック段階のもの。

シーチングでつくった細い骨袋。ステンレスワイヤーを入れてある。

3号

3号

骨袋? ま、わかりやすいけど。ワイヤーを骨袋というものに入れる目的は、ワイヤーが折れた時のため?

1号

1号

正解! 安心安全第一! 余談だけど、これ、けっこう試行錯誤しているんだよ。たとえばワイヤーぜんぶをテープで巻くとか、ゴムのカバーみたいになる液体を塗るとか、百円ショップに売っているフェルトで袋状のものをつくるとか。しかしどれも手間とコストがかかって、そもそもがシンプルじゃないんだよね。で、行き着いた先が、本体と同じシーチングで袋状のものをつくる

2号

2号

試行錯誤しなくても、ふつうに考えたらそうなるんじゃないの? 折れたら飛び出てこないようにするためのものなんだから。

1号

1号

いや、そう思うのは答えを知っているからだよ。お手本がないと、いろいろ複雑なことをやっちゃうもんなんだよ。たとえばほかにも、腕や脚、首などを胴体と補助的に繋ぎ止めるのにスナップボタンを使っていたんだけど、いま思えばなんであんな面倒くさいことをしていたのかと呆れるくらいさ。いやあもうスナップボタンたくさん買い込んでいて余りまくりだし。ほんともったいない!

5号 うさぎ

5号

見てこれー。ガイコツの脚。テクテクテク、テクテクテク。

ワイヤーを入れた脚の骨袋で遊ぶ5号。

4号

4号

「芯袋」というのに綿を詰めるのがまだ終わってないのに、5号は好き勝手やってサボっている。

1号

1号

おい、脚に変な折り目をつけるな。——あ、そうそう、忘れてた。シメノンドールには「骨袋」のほかに「芯袋」というものがある。これは、頭部や胴体の骨格になるものであり、二つ折りの#18のワイヤーを入れてから、芯となるよう綿をしっかり詰めるものである

6号 アリス

6号

でもこの綿詰め。終わりそうにないよ。簡単に終わるかと思ったのに。

1号

1号

うむ。想定内だ。芯だから綿をぎゅうぎゅう詰めにしないといけない。だからかなり時間がかかる。前後したが以下の画像が、ワイヤーを入れたあとの、綿を入れる前の芯袋だ。単純なものだが、これらの開発に数年の時間を要している。

ワイヤーを入れたあとの、綿を入れる前の芯袋。

まとめ

シメノンドールの骨格はステンレスワイヤーである。ワイヤーが折れてもオーナーが自力で交換できるよう「骨袋」に入っている。また、ワイヤーと綿を入れた「芯袋」というものもある。

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