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自分たちの時間が止まるから何もできない

少女人形幻影旅行(第5話)

コミックの表紙

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うさぎ:いつになったら着くの? 宇宙の果てに。

アリス:いますぐにでも着くよ。

アリス:本気を出せば。

うさぎ:本気を出せば?

アリス:うん。光の速さで進めば、私たちの時間は止まってるって言ったでしょ。

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アリス:それってつまり、簡単にいうと、私たちがカチカチの氷漬けになって宇宙を飛んでいるようなものなの。難しくいうと、冷凍睡眠して、意識も眠ってるって感じ?

アリス:だからもし宇宙の果てにたどり着くのに何億年かかったとしても、

アリス:私たちには、いま着いたって感じになるんだよ。

うさぎ:眠って…… ——あれ? なんか前に、そんなこと、あったような……

うさぎ:——あ、目が覚めたら、地球がなくなってたやつだ。

アリス:ごめん。

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うさぎ:なにが?

アリス:あれ、私のミス。

アリス:光の速さを出したら、自分たちの時間が止まるから、もう何もできなくなるんだけど…… でもこのダンボール型、超ミニマム飛行船が、何度も停まってくれてたの。

うさぎ:勝手に?

アリス:うん。

アリス:私、気づかずに意地になって、停まったらすぐにスピードをあげてたんだ。

アリス:もし停まってくれてなかったら、地球がなくなるどころか、いまもう、宇宙の果てにいたかも。

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うさぎ:あーだからこいつが本気を出せば、ってことか。やるな、こいつ。

うさぎ:じゃあさ、私が名前をつけてやってもいい?

うさぎ:ええっと……、ダンボールだから——

うさぎ:ダンボ!

アリス:…………。

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